「ずっと真夜中でいいのに。」の「残機」という曲について、著者が気づいたことをツラツラと書いていく試みです。
著者の憶測が多分に含まれております。またチェンソーマンのネタバレも一部含まれていますのであしからず。
ベーシストの二家本さんの鬼ベースから始まります。しびれます。
チェンソーマンのエンディングは様々なアーティスト持ち回りだったのですが、 どのアーティストもベースを強調した作品になっていて、 同じ漫画を読んでそこにたどり着くのって素敵だな、音楽だなぁと思いました。
リズムに着目すると、強拍は3拍目に来ています。これってちょっと変わっていると思うんですよね。
このリズムパターンは、私にはだるそうなイメージに感じます。1拍目2拍目が多い中、3拍目までサボタージュしているそんな感じ。
あえて言葉にするなら「よっ、こい、せ...。」とものを運んでる感じ。
チェンソーマンの主人公デンジは、恵まれない状況から始まります。重労働、汚れ仕事、雑用で生活している感じ。 まるで重たいものを、嫌々運ばされているような、そんなリズムの表現に私は聞こえました。
ボーカルのACAねさんの歌い方に関してですが、「腹うた満たしている」からの無音ブレス。 これも気だるさをものすごく演出しています。
まとめると、1番Aメロは「現実に絶望して重労働をしているパート」という感じでしょうか。
強拍は2拍目になり、少しロック調になりました。
特に「くだらん口喧嘩で~」の部分からですが、少し楽器が静かになりドラムスのキックが4拍とも聞こえるようになります。 ここは私には目をつぶって脈動を感じているような雰囲気に感じます。
ポチタとデンジが体内で融合していく...そんな表現なのかなと推測しています。
はい、かっこいいです。
リズムとしては2拍目にばっちり強拍でバリバリロックです。
デンジがチェンソーマンの状態で大暴れしているような感じですね。
裏で聞こえるストリングスは、チェンソーでモノを切断する時に鳴っている様子を表現しているように聞こえました。
「先手必勝が気持ちいいな」の部分は、日常の憂さ晴らしができて天にも昇るような雰囲気が良く出てますよね。
ド派手なサビから一転、また日常生活に戻ってきてしまったような感じです。
1番と異なるのは、今度は3拍目ではなく1拍目にアクセントが入っています。
「はいはい、サボらずに1拍目たたけばいいんでしょ?」という投げやりな感じすら感じます。
1番とあえて整合性がない感じがデンジのテキトーさが表現されていると思います。
メロディは、大きく変化していて怒涛の3連符です。 同じAメロを使わないのは、すごく作り手のこだわりを感じます。ありがとうACAねさん。 1番と違うメロディを聞けるなんて贅沢ですね。嚙み締めましょう。
楽器がどんどん増えてゴージャスになり、途中Cメロを挟んで疾走します。
最後の歌詞に注目すると1番までは「気持ちいいな」なのに「きもちいな」となっているんですよね。
だんだんと理性が失われている感じが歌詞で表現されてる気がします。芸が細かいな。
ずとまよの曲全般そうなのですが、何度聞き返しても新しい発見があっておいしい曲です。
作詞作曲のACAねさん、編曲の100回嘔吐さん、各演奏家の方々、録音技師の方々、ほんとに素晴らしいと思います。
この曲については、まずはベースがもちろん目立つし強調していると思うのですが、 他にも工業的な音がたくさん入っていたり、その音が工場や倉庫などで鳴ってる感が出るようにリバーブをかけていたりと本当に細かい曲です。 よくそんな音のレパートリーあるなと脱帽です。
ぜひ何度も聞いて、これは何の音だろうと耳を澄まして新しい発見をしてみてほしい名曲です。